一心日記

愛媛・松山にある整体 一心庵の日記です。日々の事、身体の事いろいろと書いてます。

ウォーキングと筋ポンプ

今回はウォーキングと「筋ポンプ」作用についてお話したいと思います。

筋肉の役割というと体を動かす、関節を動かすというのが一番最初に出てきますよね。
それ以外にも筋肉には役割はあるのですが
意外と知られていないのがこの「筋ポンプ」作用なのです。

心臓から送り出された血液は動脈を通って毛細血管へと流れていきます。
しかし、毛細血管から静脈を通って心臓へ血液が戻るには心臓からの圧力だけでは
戻りきれないのです。
血管には弁がついていて、血液が逆流しないようになっています。
この状態で血管周囲の筋肉が太くなったり細くなったりすることで、
血管を締め付けたり緩めたりするので、血液は押し出されるようにして循環します。
これを「筋ポンプ」の作用といいます。

血管を締めたり緩めたりする様が牛の乳搾りに似ていることから、
「ミルキングアクション」とも呼ばれているそうです。
女性は男性に比較して筋肉の量が少なく、歩幅も狭いので筋ポンプ能力が小さくなります。
こうして女性の脚部は血液循環が悪くなるので、むくみや冷え症の原因となります。

脚部の血液循環の悪さには
心臓から一番遠い場所にあり重力の力を借りることのできないという理由もあります。

血行が悪いと肩こりや腰痛などさまざまな症状を引き起こす原因となります。
そんな中でお勧めなのがありきたりだけどウォーキングです。
だけど、正しい歩行を学んでウォーキングしないと効果は半減です。

若い女性によく見られる「ペタペタ歩き」では足首の角度が変わらないため
ふくらはぎの筋肉をほとんど使わずに歩くことになります。
ふくらはぎを使わないと太ももの前の筋肉・背中の筋肉も同時に使わなくなります。
(抗重力筋作用)背中の筋肉を緊張させずに歩くため猫背になり、
下半身の筋肉を使わないために女性の場合は元々強い内転筋(太ももの内側の筋肉)
を使って歩くことになります。そのため筋ポンプの作用はほとんど働きません。
内転筋の力を多く使って歩く内股歩きのような人は仙骨(脳脊髄液還流作用)も働きにくくなり、
人間の生理作用に極めて大きな悪影響を与えてしまいます。
生理痛や腹部の痛み、浅い呼吸などの症状が発生しやすいです。

では良い歩行というのは後ろ足は親指で地面を蹴り前足は踵から地面につきます。
このことで後ろ足も伸び、出前のペタペタ歩きよりも
多くの距離を進むことができるようになります。
踵からついた足は「踵→小指→親指」という順に体重がかかり地面を蹴っていきます。
前に送る足は膝を曲げて振り出すことでスムーズな体重移動と推進力になります。
こうすることでふくらはぎの筋肉・太ももの前の筋肉・太ももの後ろの筋肉・
すねの筋肉・お尻の筋肉をすべて使い、下半身をすべて使った運動になります。

正しい歩行では足首の関節が動き→膝関節が動き→股関節が動く
という風に足全体が動きます。
ペタペタ歩きではほとんどの関節が稼動せずほとんどの筋肉が使われないのです。
また足だけにとどまらず正しい歩行は骨盤も左右に振れるので
(大げさに言うとモンローウォーク風)
上半身や肩も振れてきます。腕を振って歩くのではなく、腕が振れてくるような歩き方が
できると良いですね。
肩や腕が振れることで下半身だけの運動ではなく全身運動につながり
全身の筋ポンプが働き全身の血行促進に繋がります。

正しい歩き方にはつま先の角度や一直線上を歩くなどまだまだいろいろとあるのですが
今回は筋ポンプとの関係でお話をさせていただきました。
お近くの体操教室やウォーキングの講座を受けてウォーキングを始めるのも
良いかもしれませんね。
お近くにお住まいの方は私の運営する整体院でもお教えすることはできます。