一心日記

愛媛・松山にある整体 一心庵の日記です。日々の事、身体の事いろいろと書いてます。

症例A

じれった~い、じれえったい・・・わ・た・し少女A

じゃなかった。症例A。
という小説を読みました。

最近、面白そうな小説探しに明け暮れて
ほのぼの系がいいかな~~~とか最近みた面白かったドラマの原作者の小説とか
いろいろ考えていたんだけど多重人格とパラレルワールドでいろいろ調べみると
ヒットしたのが症例Aでした。

多重人格の小説なんですがいろいろネットで探している時にレビューに
深く内容は分からないものの結末に少々不満の残るらしい事が書かれていました。

実際読み進めていくうちに僕もそのレビューが正直頭に浮かんでくるようになってしまったんです。
それが500ページぐらいの小説なのですが2/3ぐらい終わった時点で全然まだまだ話がこれからって感じで
この流れから行くと2巻が必要じゃないの??って思って思わず表紙を見たのですが
どうやら間違いなく1冊で終わる小説のようでした。

そんな思いをしている時に思い出したのがバレーボールのテレビ中継。
スポーツ全般見るのが好きなんですがだけどパレーボールの中継は少々不満があるんですよね。
野球にしてもサッカーにしても見ていかないと結末が分からないんだけど
バレーボールに関しては時間的に流れ的にある程度読めたりするんですよね。
フルセットにもつれるんだなとかストレート勝ちかなとかね。

この小説もレビューで結末に不満とか書いている人もいたので
きっとモヤモヤ感が残る小説なんだろう。結論が出ない小説なんだろうって思いが強くなってきました。

最後読み終えた時には確かに到着地点は僕が思っていたものとは違っていたけど
凄く良い終わり方だったと僕は思いましたね。
終わりの映像を自分の頭で描いた時にすごく良く感じました。

そういう意味では到着地点が違ってしまった事は僕の中ではそれほど嫌とは思わなかったんだけど
サイドストーリー的に展開される話との融合はう~~んって感じでしたね。
そこを納得するためにはもう1巻必要になったかもしれないけど、先がないもの良いものかも…

この小説の一番の盛り上がりは主人公の精神科医の榊が岐戸医師に会い
二人で会話しているところじゃないかなって思うんですが
そこにこの小説の結末の重要なヒントが隠れているような気がするんですよね。

多重人格の小説で統合失調症と診断された少女が実は多重人格だったおもわれるストーリー展開で
序盤からそこは誰もが推測される内容となっています。
僕もそうだったけどレビューに批判的に書かれている人多くは結末はその少女が
主人公の治療によりよくなるであろう結末もしくは何かが起こると思っているんですよね。

だけど、岐戸医師は多重人格の治療の最終地点は交代人格の完全統合により元の人格を取り戻す
事ではなく患者が今の生活に支障がなければそれでいいと。
その時点で僕が勝手に思い描いていたゴールとは違っていたのですが
これは自分が今やっている仕事にもかなり重なりいい教訓となりましたね。

相手が望むもの、こうやった方がいいという自分の思い。
相手の気持ちとこちらの理想。
柔軟な発想と対応が重要なんでしょうね。

もし読みたい方もいるかと思い内容を伏せて書いたつもりなので
何を書いているのか全く見当もつかない内容だとは思いますが
なかなかの秀作の小説でした。

次は症例Aと一緒に買ったパラレルワールド系の小説。
世界の終わりとハードボイルドワンダーランド。村上春樹です。
ついに彼の本を手に取る事になりました。
パラレルワールド系で読みたそうな本を探しているとたまたまぶつかったのがこれ。
あとでネットで調べてみると村上春樹作品の中で評判がいいようですね。楽しみです。

今度はゆっくり読んでいこうかな。